🌙 Memorize 開発状況ダッシュボード

Anki進化版・カスタム暗記アプリの現在地

更新日 2026-08-06
Phase 1〜5
完走
Ankiパリティ・
ロードマップ
実装済み
(preview)
Supabase
クラウド同期
A〜E
5系統
次のカスタマイズ
候補
単一HTML
依存ゼロ
約4.3MB・
オフライン動作

§1 🎯 Ankiに求められている機能(需要の実績)

アドオンのインストールは「口だけでなく手を動かした需要」。とくにAnki本体に取り込まれたアドオンは、需要が証明されたカテゴリだと言える。

アドオン実績 = revealed preference

⚠️ モバイルの構造的欠陥: AnkiMobile / AnkiDroid はアドオンが使えない(Apple審査制約等)。カードテンプレート内のJSが「モバイルでも動く唯一のカスタマイズ層」となり、AnKing 等はテンプレにスクリプトを詰め込んで回避している。

フォーラム定番の要望

§2 🧱 Ankiの不満・カスタマイズの壁

調査の結論は「カスタマイズしたいのにできない」ではなく「カスタマイズの入口で挫折する」。Ankiの構造ではカスタマイズ=HTML/CSS/アドオン/設定画面の学習であり、この学習コスト自体が最大の離脱要因になっている。

設定沼 — デフォルトのままでは使えない

混乱の震源は特定できているAnkiの構造課題
デッキオプション(親/サブデッキの継承)・FSRS移行(学習ステップを空欄にすべき仕様の発見しにくさ)・4段階解答ボタン・ノートタイプ/テンプレートの概念。
「推奨設定コピペ文化」=デフォルトが使えない証拠
アイオワ大学の学生向けガイドは「完璧な設定を探そうとすると混乱する」ため、あらかじめ構成済みの設定をコピーせよと公式に指導。医学生向け記事は「1日10時間かける学生と5時間で済む学生の差は、ほぼ常に設定の問題」として推奨値を列挙。公式フォーラムには「Deck Options Explained」の要約解説スレが常設されている。
→ 欲しいのは設定項目ではなく「正しい設定になった状態」
英語圏コミュニティの生の声(要約)

パラメータが大量にあり、何のためにあるのか分からず混乱する。Anki Forums(2026年6月)

デッキとサブデッキ、解答ボタン、buried siblings…しばらくすると頭に霧がかかる。やりたいのは単語リストをランダム出題するだけなのに。Anki Forums

Photoshop や Neovim のようなパワーツールで、それなりの学習投資が必要。Hacker News

ドキュメントを流し読みして、複雑すぎると思って諦めた。LaTeXもEmacsもプログラミングもやる自分ですらそうだった。Hacker News

※ AnkiMobile 開発者自身も、レビュー返信で「難しさの指摘はAnki全般に対するもの」と公式に認めている。

日本語圏で語られる壁

よくある7つの壁
①ノート/カード/フィールドの独自概念 ②カード100枚に数時間 ③2006年から変わらないUI ④アドオン選別困難 ⑤アルゴリズム設定の難解さ ⑥iOS版約4,000円 ⑦日本語情報が限定的。
出典: Memlyブログ
心理的負荷の設計が抜けているAnkiでは手動対応
「数日サボると数百枚溜まり、開くのが怖い」→ 1日の最大復習数の制限で解決したが、上限設定の存在自体が知られていない。「『わからない』が十数枚続くと、テストされているような嫌な感じがして挫折する」という声も。
ストイックさゆえの流出
「効率よく定着できたが、そのストイックさに辟易した」→ WordHolic へ乗り換えた例。

まーく自身の体験(構想メモ②)

カスタマイズ性は魅力。でも覚えるコストが高い
カスタマイズ性は非常に魅力的だが、使い方を覚えるための学習コストが高く、しばらく触らないと設定を忘れてしまい、結果的にうまく使いこなせなかった。
→ 本当に必要なのは「カスタマイズできるが、カスタマイズを覚える学習をしなくても直感的に使える」もの。
これがMemorizeのコアコンセプト

TOEIC文脈でのAnki評判(市場調査より)

否定的な声の最頻出パターン
「設定項目が多く難解」「使い慣れるまで時間がかかる」。UIが古くゲーミフィケーション系と比べ魅力に欠け、初心者が続かない。iOS版(AnkiMobile)が有料買い切りな点も薦めにくさとして頻出。「TOEIC対策だけなら abceed / mikan の方が手軽」という声も一般的で、「カード作成の手間を投資と割り切れる人向け」という評価に落ち着く。
Ankiから流出する理由(定番4点)
① iOS版約4,000円 ② 初期設定・カード作成の手間 ③ ストイックさ・ゲーム性の欠如 ④ スマホで完結しない。
それでもAnkiに戻る理由もはっきりしている ——「SRS/FSRSの質」「データ所有・ローカルファースト・買い切り」「自由度(ノートタイプ・テンプレート)」の3つ。ここを捨てずに簡単さを足せるかが勝負どころ。

§3 💚 類似アプリで好まれている機能

TOEIC市場調査で「これ神」とされていた点を、アプリ名つきで機能単位に分解した。

新興競合の訴求はすべて「Ankiより簡単」

ただし新興勢はAnkiの強み(データ所有・自由度・買い切り・オフライン)を捨てて簡単さを取っている。Memorize は単一HTMLでそれらを保ったまま簡単さを足せる位置にいる ——「Ankiの自由度 × Mochiの簡単さ」は競合がまだ誰も両立できていない空白地帯。

§4 ✅ Memorizeに装備済みの機能

Ankiパリティ・ロードマップは Phase 1〜5 すべて完走。以下はいずれも実ブラウザでの検証を通したもの。

学習エンジン 実装済み

FSRS-6(既定・py-fsrs公式準拠21パラメータ) SM-2 切替可 目標保持率 80/85/90/95% 間隔ゆらぎ ±5% SM-2カードの自動移行 簡易FSRSオプティマイザ(Web Worker・履歴400件〜) 学習ステップ 1分/10分 4段階評価 苦手マーク+苦手モード suspend(出題停止) 手動bury「今日はスキップ」 兄弟bury リーチ自動検出(既定8回) サブデッキ(::階層・親から学習でも子の設定で採点) カスタム学習(フィルターデッキ相当) 詳細統計(真の保持率/30日負荷予測/間隔・難易度分布/ボタン別内訳) 日別ヒートマップ

カード種類 実装済み

v3ノートモデル(notes / cards 分離) 双方向カード(⇄トグル) 本物のcloze {{c1::答え::ヒント}} 画像オクルージョン(Hide One方式・矩形ごとにカード自動生成) タイプ入力解答(文字単位LCS diff) 画像フィールド(Data URI埋め込み) 自由スキーマfields(ノートタイプ地獄の回避)
画像オクルージョンは矩形削除を null 埋めで処理し、番号を守って SRS を完全保持する設計。card:occ 検索にも対応。

音声 実装済み

音声リピートモード「英→英→日→英」(想起ポーズ1.5秒) 読み上げ順をユーザー定義可 ブラウザ読み上げ(Web Speech API) Kokoro-82M ブラウザ内AI音声(無料・APIキー不要) 軽量90MB / 高品質310MB を選択 VOICEVOX 連携(裏面・日本語/ローカル・無料) クラウドTTS(ElevenLabs / OpenAI・ユーザー自身のAPIキー) MP3 64kbps でカードに保存・エクスポート同梱 Media Session API
再生は「クリップがあれば使い、無ければブラウザ読み上げにフォールバック」に一本化。APIキーはエクスポートJSONに絶対に含めない(検証済み)。VOICEVOX は実機E2E成功済み(ずんだもんでMP3化)+クレジット表記の案内つき。

インポート・エクスポート 実装済み

JSON入出力(memorize-app/v2・v1 / cards-v1 も読込可) .apkg インポート(Ankiデッキをファイル選択だけで取込) フィールド自動推定+マッピングUI 画像のdata URI取込・タグ引き継ぎ マージインポート(同じデッキへ非破壊統合・履歴は和集合)

カスタマイズ 実装済み

HTMLテンプレート(表 / 裏 / CSS) {{field}}+条件ブロック {{#field}} sandboxed iframe + postMessage MemorizeCard ブリッジAPI(fields / flip / grade / speak) 3タブ編集+ライブプレビュー 「AI用プロンプトをコピー」導線 プリセットテンプレ4種 ワンタップで標準に戻す キーボードショートカット(Space / 1〜4)

データ保全 実装済み

IndexedDB永続化 navigator.storage.persist()+使用量表示 世代自動バックアップ(日次7+週次4+復元前2) フォルダ自動バックアップ(File System Access API・14世代・Chromium系) セッション内Undo(Cmd+Z / Ctrl+Z) 評価Undoは SRS・履歴・日次カウンタの3点を巻き戻し カードブラウザ+検索構文(deck: tag: is: prop: re: 一括操作+bulk Undo 1発復元

クラウド同期 NEWpreview中

Supabase同期を実装済み(2026-08-05) PC / スマホでデッキ・カード・学習履歴を自動同期 音声のみ同期対象外・各端末で再生成可 現在 preview 公開中/まーくの本番OK待ち

配布形態 実装済み

単一HTMLファイル・ビルド不要・依存ゼロ オフライン動作 kokoro-js / lamejs を本体埋め込み(jsdelivr参照ゼロ) sql.js(WASM SQLite)も埋め込み ファイルサイズ 約4.3MB

§5 🚧 未実装・次のカスタマイズ候補

パリティ実装で「Ankiにできること」は概ね揃った。次は「Ankiでは学習が必要なことをワンタッチにする」フェーズ。需要の強い順にA〜E。

A. 目的プリセット★★★未実装
何を解決するか: 「TOEIC単語」「資格試験の大量暗記」「ゆるく継続」等を選ぶだけで、FSRS保持率・日次上限・学習ステップ・ボタン数が一括設定されるセットアップウィザード。設定沼を丸ごと解消する。
Ankiで難しい理由: Ankiは設定項目を全部見せる構造で、目的別のプリセットが存在しない。だから大学・医学生界隈で「推奨設定をコピペせよ」というガイドが量産されている。
実装コスト小(既存settings構造にプリセット層を被せるだけ)
B. テーマ・ワンタッチ★★★未実装
何を解決するか: テーマギャラリー(ミニマル/カラフル/ダーク最適化/大文字視認性)から1タップ適用。フォントサイズ・アクセント色はスライダー/パレットで。
Ankiで難しい理由: 見た目を変えるにはカードテンプレートのHTML/CSSを自分で書くしかなく、夜間モードの色崩れを直すには .nightMode クラスの知識まで要る。日本語圏で解説記事が最も多い=需要最大のジャンル。
Memorizeはテンプレート機構を既に持つので、プリセットテンプレの同梱で成立
C. 操作モードのトグル★★☆未実装
何を解決するか: ①2ボタンモード(Pass/Fail) ②音声自動再生の粒度制御(表面のみ/裏面のみ/フィールド単位) ③タイムボックス(「今日は10分」を選ぶと回答速度実績からカード数を自動提案)。
Ankiで難しい理由: 2ボタン化は AnkiDroid が公式実装に動くほどの定番要望だが本体標準では選べない。音声のフィールド単位autoplayもフォーラムで要望が続いている。タイムボックスはHNの要望そのまま。
D. 負荷の自動コントロール★★☆未実装
何を解決するか: 溜まった日の救済ワンタッチ(「今日は復習50枚だけに絞る」提案)と、成績連動の新規カード数の自動調整。
Ankiで難しい理由: 上限設定自体はあるが「存在を知られていない」状態で、溜まった日の救済は手動。成績連動の自動調整はHNで要望として挙がっている段階。「開くのが怖い」「雪だるま化」は日英両圏で挫折理由の筆頭格。
E. ヒートマップ・ストリーク表示★★☆一部実装済み
何を解決するか: Review Heatmap 相当を統計画面に内蔵(約7万DLの実績需要・モバイルでは今も未充足)。X勉強垢のスクショ共有文化とも接続し、拡散導線になる。
Ankiで難しい理由: ヒートマップはアドオンでしか手に入らず、AnkiMobile / AnkiDroid はアドオン非対応のためモバイルでは使えない。
※ Memorizeには日別ヒートマップが実装済み。ストリーク表示等の強化が残りの候補
F. すでに勝っている点(訴求に使う)

アドオン不要で内蔵 — 画像オクルージョン・TTS / VOICEVOX音声・FSRSオプティマイザ・詳細統計。Ankiでは「アドオン探し→相性問題→モバイル非対応」だった領域。

単一HTML — インストール不要・データ所有・オフライン。新興競合が捨てたAnkiの美徳をそのまま保持している。

.apkgインポート対応 — Anki既存ユーザーの「資産があるから乗り換えられない」という障壁を外す鍵。これも実装済み。